なぜ遺言書が必要なのか?

なぜ遺言書が必要なのか?

 

皆様、自分の人生を振り返ったことはありますか?
そんなの当然だろう! と言われるかもしれません。特にご高齢の方々は、結婚し、家庭を持ち、子育てをし、家を買い、子どもが育ち、孫が生まれ、・・・。
様々な思い出があることでしょう。自分の人生も後半から終盤に差し掛かってきているとお思いの方も多いことでしょう。

この先、自分が亡くなった後、長年連れ添った配偶者、成長した子ども、かわいい孫の人生が心配ではありませんか?
遺言書は、自分の生きた証しを残す事であり、自分が今まで創ってきたものを後世に残していく作業です。自分が一生懸命に頑張ってきたものが、残されたご家族の争いの種になってしまっては、本末転倒・後々後悔することになってしまいます。

「家族の仲が良いから大丈夫。」「自分の家は遺産が無いから大丈夫。」と思っていますよね。現実に、亡くなった後、相続の時に争い事が発生することが多く見られます。「相続」が「争続」となってしまっては、何をしてきたのか分かりません。ましてや、自分が居なくなった後、争い事が始まってはどうしようもありません。

家族仲が良いから大丈夫だと思っているのは、あなたがご家族を束ねているからではないですか? 残す遺産もないから大丈夫だと思っているのは自分だけで、相続を受ける側はたいした財産、ということはよくあることです。

 

家族仲が良いから相続では争いにならない?

今は家族の仲は良いのです。それは、あなたがいるからです。あなたがいなくなった後、相続争いはどのくらい発生しているかご存知ですか。

グラフ1:遺産分割事件の新受件数の推移

(出典:みずほ不動産販売株式会社 遺産分割事件の新受件数の推移 より)

 

相続する場合、遺族が遺産の分割を相談する「遺産分割協議」を行います。そこで合意できないと、家庭裁判所の調停や審判に持ち込まれて「遺産分割事件」になります。
「このように裁判所までいくのは氷山の一角です。そこまでいかなくても、遺産分割協議でもめて仲が良かった家族や親族の関係がおかしくなるケースは珍しくありません。“裁判にならない争続”はもっと多いのです」

 

相続対策に年金・保険│はじめての年金・保険│SMBC日興証券

(出典:SMBC日興証券株式会社より)

 

遺産の金額が大きいから争いになる?

令和元年(2019年)度の裁判所の統計「遺産分割事件」では、総件数7,224件です。
1千万円以下の遺産で家庭裁判所の調停成立件で全体の約33%です。5千万円以下でも約43%となっており、全体の70%が比較的遺産金額の低いところで争っています。
財産の大小で争いが起きる訳ではないのです。

良かれと思った相続対策が負の遺産に?終活でやってはいけないこととは ...

(出所:裁判所ホームページ  司法統計 「令和元年度 遺産分割事件のうち認容・調停成立件数(「分割をしない」を除く)  遺産の内容別遺産の価額別  全家庭裁判所」より編集)

 

遺言書を残すことに抵抗はありますよね。まだ生きているのに縁起が悪い、遺言を残すにはまだ早い、とお考えは分かります。ただし、遺言書を残しておくと、いままでモヤモヤした気持ちが晴れる。すっきりとした気持ちになったという声はよく聞きます。
今はまだよいでしょう。将来、認知症になってからでは遺言書を書きたくても書けないでしょう。また、残した遺言書は法律上無効になる可能性があります。

ご心配な方、悩んでいらっしゃる方、一度、ご検討されてみてはいかがでしょうか。

 

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